今回は、『バーやまざき』の門下生達の店を巡る事にした。
１軒目は、『ＢＡＲねもと』
私のお気に入りだった、『ＢＡＲまつかわ』の松川さんが病気でやめられ、
その後(2001年6月？)に、『バーやまざき』で働いていた根本亜衣さんが、独立してこの店を開いたとの事。
某掲示板で情報を得て、今回行ってみる事にした。
時間は午後６時を少し回ったくらい。
ビルの前まで行くと、昔『まつかわ』の看板があったところに『ＢＡＲねもと』の看板が。
地下へ行き、おそるおそるドアを開ける。
カウンター内には、若い女性と男性が一人ずつ。「いらっしゃいませ」の声に出迎えられる。
店の内装は『まつかわ』とほとんど変わっていない。
とりあえずギムレットを注文。(一寸酸味が強かったかな？)
２杯めは何にしようかとバックバーを見ていると珍しいモルトを発見。
マッカラン２６年(どこのボトラーズのものかは忘れた)。注文すると、
根本さん「私の生まれ年ものもです」と言って出してくれた。
その後、根本さんとひとしきりお話をして(最初客は私一人。その後３人ほど入ってきた。)、
私が「昔のモルトは美味かったね。特にグレンリベットとボウモアは昔のほうが良かったね。」等と言ってると、
昔の(通称"赤玉")ザ・グレンリベットがあるとの事。(松川さんから譲り受けたボトルらしい)
ラストの１杯だった。(正確には１杯強・・・おまけしてくれた。)懐かしかった。美味かった。
小１時間ほどいたが、彼女の人柄の良さからくるのだろう、実に和める店になっていた。
２軒目は『ＢＡＲ ＰＲＯＯＦ』
やはり『バーやまざき』の門下生である中河宏昭さんの店である。
雑居ビルの５階まであがり、戸を開ける。
まず何を飲もうかとバックバーを見ると、ロング・ローを発見。注文すると、 何とシェリーカスクだった。(これは初めて飲む。)美味い。
その後話をしていると、１２月９日に行われた、ＣＣＳ(カクテル・コミュニケーション・ソサイエティー)主催の パーティーでカクテルを作っていたとの事。
(このパーティー行きたかったのに、申し込んだらすでにチケット売り切れとのこと。返す返すも残念！！)
パーティーの様子などうかがう。
カクテルが飲みたくなり、 マルガリータ(クエルヴォ1800使用)と、ダイキリ(グレナデンを入れて)を注文。
実に美味い。満足して店を出る。
腹が減ってきたところに、うまい具合に『山頭火』が近所にある。そこでラーメンを食す。
最後は、『バーやまざき』に入る。
実は何年ぶりだろう。(そのせいか、ビルの入口を捜すのに一寸苦労した。)
ドアを開けるとすでに結構な客が。(午後８時をまわっていた。)
カウンターが空いており案内される。
こってりしたラーメンの口直しに、マイアミ(グリーン・ミント使用)をもらう。
その後ゆったりと周りを眺めていると、山崎さんが私の目の前に立ち、
「いらっしゃいませ。以前にも見えられましたよね？」
私は「いやぁ〜、随分昔に１度来ただけです。」
私「お元気そうで何よりです。おいくつになられます？」
「来年で８２になります。耳が遠いの以外は大丈夫です。」
２杯目にサッポロを作ってもらう。美味い。
(このカクテル、その後自分で作ってみたがこうは上手く作れなかった。)
山崎さん、確かに耳は遠くなっており、
注文が入ると、若いバーテンダーが耳のそばで「○○番(座席番号？)にマティーニお願いします。」と、
かなり大きな声で話す。
もっとも、いざ作り始めるとステアもシェイクもよどみなく、
流石、体に染みついた技とでも言うのだろうか、敬服してしまう。
その後、また山崎さんとお話。松川さんや、先ほど行った根本さんの店や中河さんの店の話やら(私の拙い文章では表現できないのが残念だが、 言葉の端端に巣立っていった弟子に対する愛情が感じられた。)、
東京のＢＡＲの話。
(『ＥＳＴ』にも行った事があると話をしたら、彼の息子さんもここの門下生であり、現在新橋でＢＡＲをやっているとの事で、 住所と地図を書いてくれた。)
更に山崎さんの著書『すすきのバーテンダー物語』の話になると、
店においてあるとの事。
１冊購入する事にすると、メモ用紙を持ってきて、
「あなたのお名前を書いて下さい。サインしますので。」ときた。
そして丁寧な字でサインをして貰った。 →それが、コチラ
更に、マティーニとオリジナルのインバネス(スコッチ・ベースだった)を戴く。
実に心地よい時間を過ごす事が出来た。
山崎さんとその門下生、どの店も実に居心地の良い店だった。
(去年行った『ドゥ・エルミタアジュ』もそう。)
今度札幌に行くときは、『ガス燈』と、『ＢＡＲ ＣＡＰＲＩＣＥ』にも行ってみよう。
その前に新橋の『ＢＡＲ ＡＴＲＩＵＭ』か。