またまたＢＡＲのささやかな失敗話である。
　
　去年(２０００年)暮れ、ＳＫＩに行った際泊まった小樽のホテルでの話。
(今回もホテル名は名誉のため秘す。)

　食事のあと、カクテルがちょっと飲みたくなり最上階のＢＡＲへ向かう。
小樽運河沿いに面したこのホテルのＢＡＲは、運河に面した側がガラス張りになっており、
眼下に運河と倉庫群をを見ながら飲めるという、なかなかオシャレな構え。
もっとも、ここ、朝食のバイキング会場でもある。

店内は、若いバーテンダーと、フロア担当の男性が１名。

　とりあえずカウンターに座り(カウンターの向こうもガラス張り・・・したがってバック・バーはなく、
カウンター横のサイドボードに酒が並んでいた。数・種類とも多くはない。)、
　「ジン・ベースのスティンガーを。レモンを少し入れて」とオーダー。
(そもそも初めて行ったＢＡＲでいきなりこの注文は酷か？)
　するとバーテンダー「かしこまりました」と言ってボトルを出してきた。
ところが、ジンと何故かシャルトリューズ・イエローを出してきた。
絶対に勘違いしている？と思いつつ、気がつくだろうなぁと思って見ていると、
バーテンダー手慣れた手つきでシェイカーに材料を入れ始める。

これは、まずい。言うべきか言わざるべきか悩んだ末(この間数秒)、

「ちょっと待った、ホワイトミントでお願いします。」と、
やんわり(ホントだヨ！！)と言った。

バーテンダーそう言われて、はたと我に返り、
「申し訳ありません。」と言って、改めてミントを出してきた。
客は私１人。何となく気まずい雰囲気が流れる。
窓の外は、時折横殴りの雪が吹き付ける。
カクテルが出来るまでこれほど時間のたつのを長く感じたのは、初めてか。

さて、出てきたカクテルは、なかなか。良かった。
その後、バーテンダーと他愛ない話(ＫＩＲＯＲＯ・・注スキー場・・は ツマンナイよねぇ〜とか)をしながら、
ＮＩＫＫＡ「余市」のモルトなどを飲んでいるうちに、
客も増え、注文のオリジナルカクテルなどを手際よく作っている。
このあたりで退散。

翌日、朝食を食べにＢＡＲへ行くと、
昨晩のフロア担当は、朝食バイキングの世話をしていた。
若いバーテンダーは見あたらず。
いたら、一寸気まずかっただろうなぁ。