パリと言っても、フランスのＰＡＲＩＳには非ず、ＢＡＲの話である。
いわゆる作家と呼ばれる人たちも、よくＢＡＲに出入りしていたようであります。
そう言えば、銀座の
『ルパン』は、店の歴史＝昭和の文化史と言っても過言ではないし。
菊池寛や、太宰治、泉鏡花、坂口安吾らの牙城であったとか。
開高健もどこぞのＢＡＲに通っていたなんて話も聞いたことがあります。
そんな中で、池波正太郎の
「食卓の情景」なる本を最近手にしました。
この本、昭和４７、４８年頃に週刊朝日に連載されていた同名エッセイが単行本化されたものであります。
食に関するあらゆる話題の詰まった、この本。
読んでみると、次から次へと出てくる、有名店。
(京都『鍵善』の”くずきり”とか、神田『まつや』の”蕎麦”とか・・・)
普段の食生活から、食べ歩きに至るまで、かなりの食通だった事が窺えます。
その中に、横浜に関する文章があります。
彼は、横浜に来ると、
『ホテル ニューグランド』を定宿にしていたようで、
そこのＢＡＲ(おそらく、
『シーガーディアン』・・・その後サザンオールスターズで一躍有名になりましたなぁ。)で大佛次郎にあったことなど書かれています。
また、「横浜の１日」と言うタイトルのエッセイでは、
常盤町の『パリ』について書かれています。
約１ページにわたって書かれている文章をそのまま載せることは、
著作権に引っかかってしまうおそれがあるので、出来ませんが、
感想としては、特にママとの会話など、
今でもママ(故 田尾幸子さん)ならこう答えそう、と、行ったことある人なら納得してしまう、と言う感じです。
一読をオススメします。(新潮文庫から出ています。)
他の作家についても、どっかにＢＡＲについての記述があるかも知れません。
探してみよう。
また、この種のネタをお持ちの方、ご一報下さい。
『シーガーディアン』
・・・横浜をいや日本を代表する老舗ホテルである『ホテル・ニューグランド』(１９２７年開業)のメイン・バー。
１９９７年の新館開業にともない、『シーガーディアンⅡ』と名称を変える。
さらに２００５年、「横浜そごう」１０階に『シーガーディアンⅢ』をオープン。
『カクテルバー パリ』
・・・横浜をいや日本を代表する老舗ＢＡＲである。
初代オーナーの田尾多三郎氏の後を、奥様の田尾幸子さんが引き継ぎ、幸子さんの亡き後は、
２００４年より幸子さんの息子さんの奥様がカウンターに立たれています。