「レモンハート」と言っても、ラムの話ではありません。
古谷三敏著「ＢＡＲレモンハート」と言うコミック(双葉社より、2005年末現在第21巻刊行中)に関する話です。

　この漫画、酒好きにはたまらなくオモシロイが、興味のない方には何が良いのかすら分からないと言う古谷氏お得意の蘊蓄マンガです。
　その１３巻に「ラッテ・リ・ソッチラ」と言うリキュールにまつわるお話があります。
大まかなあらずじ(本当は読んでいただくのがＢＥＳＴ)は、
「ＢＡＲレモンハート」(マンガ上のＢＡＲ・・・大泉学園には古谷氏がオーナーの同名ＢＡＲが実在します。)の蘊蓄マスターが ２０数年探し続けて未だお目にかかったことのない「ラッテ・リ・ソッチラ」を、ある常連さんが別なＢＡＲで見つけて、１年かけて譲り受け、レモンハートに届ける、というものです。
　(ちなみに「ラッテ・リ・ソッチラ」とは、”継母のオッパイ”と言う意味でイタリア産の７５度のリキュールです。 ラベルには、ドクロの絵まで描いてあり、正に恐ろしげなサケです。)
　
　さて、ここからは実話です。
暮れに小樽の『ＢＡＲ　ＨＡＴＴＡ』に行った際、
いろいろ飲みながら話をしていたときに、バーテンダーが「面白いリキュールがあるんですよ。」と言ってバックバーの奥から出してきたのが、 「ラッテ・リ・ソッチラ」。
　何でも話によると、「ＢＡＲレモンハート」を読んでいる常連客がどこぞで見つけて持ってきてくれたとの事。
正に漫画の世界を地でいった展開。
こんなことする人がいるんだと思いつつ、「飲んでみます？」と言われれば当然飲むわけで・・・。
味は、はっきり言ってリキュールの甘みが全面に出てその後に薬草系の複雑な味が現れてくると言う感じ。
アルコール度数７５度を全く感じさせません。
「こりゃあ、気をつけて飲まんとダマされるね」と言うのが正直な感想。
確かに美味しいリキュールでした。
　それよりも「ＢＡＲレモンハート」の影響力の強さに恐れ入った次第。

　北の国の港町のＢＡＲ・・・こんな展開があっても良いかなと思いつつ、宿舎のホテルまで
転ばないように(今年は例年より雪が多かった)帰ったのでありました。